■ ムラギしマナヴ

取材日

※実行委員長コメント

 

 

12/14
ムラギしマナヴ
R31

18h3100

佐藤
だるまさんをいっぴ選んでたでしょ?

だるまはね、台を作ってやろうと思ってるんです。

佐藤
みんぱくから資料来ましたよね。

はい。
台座を作らしてもらって、それに並べて顔を出せるようにしたいなあと。
とかいうのが許してもらえるならやりたい。

佐藤
自分の顔?

人がのぞいて顔だけ出せるようにして。

佐藤
写真が撮れる。

うん。が、したいと。お許しが出たら。いろいろそういうのが12点くらいあって、
それを使わせてもらえるかを確認したい。

佐藤
飾ってるもの自体が傷まなければ基本的にはOK。

大丈夫だと、安全だとは思うんですけど。

佐藤
触られたときのプロテクト。それで、そういうのを企画書みたいなものプレゼンを 作ってくださいというリクエストがあって、それが図録にそのまま載せるということも考えているので、作家それぞれの。 まあ、併せてこちらの収蔵庫の人たちに説明するときの(資料として)。

ああ、わかりました。じゃあ、もうちょっと具体的に書いて・・・。

佐藤
そのプレゼン自体が作家の個性でもあるから面白おかしく書いていただけたら。

わかりました。
まあ、そういう段階でございます。

佐藤
これもそうか。

これも100円ショップの虫かごに・・・

佐藤
近くに100円ショップがあるんですか?

だいぶ遠いんですけど。
こういう、試供品でもらったボタンなんです、これ。服につける、ぼんぼりじゃないけど。
で、みんぱくにも魚の網のやつがあったので、入れてみようかなあと、このへんを。
まあ、これはこういう普通の人が撮った無関係な写真で面白い写真をこうして貼って。

佐藤
こういう作品とさあ。ノスタルジックな絵を描かれているでしょ?あれとの関係って自分の中では?

いや、あれを突き詰めていったらここに来た感じ・・・
あれは結局文脈とか技術とかが関わってくるから、そこから脱したいというのが・・・

佐藤
それはわざとノスタルジーじゃないけど、共感を誘うようなところから引っかけようとしてるの?

そういう狙いはあんまりなかったですけどね。ただチョイスする判断が、そういうものが多かったっていうか。

佐藤
みんなが使って、みんなの手垢がついてるようなものをわざと使う

そうですね。その方がコントロールしやすいから、やっぱり選んじゃうんかもしれない。
意図的にこれは懐かしがらせてやろうとかは考えてない。

佐藤
・・・突然こんな話になってしまったんですけど。
そんなかでムラギしさんの自分の個性をどこで発揮しようとしてるの?

それは技術はできれば放棄したいし・・・

佐藤
技術を放棄したいっていうのは?

ええと、たとえば、よく言うけど、「うまくなければならない」とか、「きれいでなければならない」とか、??いってるような・・・それもありなんだけど、それよりもまず自分を大事にするわがままさが先に立ったわけですね。そうしてるうちに楽に早く自分の見たい無意識っていうか、見えないイメージみたいなところに行こうと思うと、コラージュしたり、早い技法で描ける色彩の判断だったり。でも結局それが技術がいるんですけどね。訓練して早く描けなければその思いに辿り着けないから。っていうことしているうちに、こっちもありだし、普通に技巧して絵を描くという・・・こともやると。

佐藤
ものに本来ある価値を引き出してやるみたいなことをどっかで書いてたでしょ?そういうのは意図的に・・・

それは結局結論として気がついたんです。よくアノ二マスデザインっていって本当に無名な人・・・無名というか職業としてやっていくうちにとんでもない本人が意図しないかたちの美とか、そういうものがあると。そういうものが生まれてきて面白いなあと思うけど、評価はされないまま終わっていくんだけど、ちょっとコンセプチュアルアートってやるとそれを絵とか箱にぱかっとはめて、どうです、きれいでしょってやるんだけど、それをやるのもちょっといやらしいと。だったらそれとそれ、AとかBといういろんなそういう雑多に出てきたものを隣り同士に並べたときに、実はもの自体がうつくしいとか、おもしろいとかもあるんだけど、それとそれが並んだ間に見えてる関係性が・・・ぱっと言語化はできないけど、面白いって思えてるわけですよ。

佐藤
それがムラギしさんの個性、作品なんだよな?

まあ、そこにシンパシーを持ってもらってるかどうかはわかんないけど、そこが面白いと思って出そう出そうとしてるわけですよね、それは。

佐藤
この展示のやろうとしてるところと、まさにそこだとぴったりなんですけどね。

しかも今回ね、収蔵品を使わしてもらえるから、あるものとあるものが、普通に並べたら普通に並ぶんだけど、あるものとあるものがグッと並べたときに、そこに、こう、できたら成功なんですよ。それをこう、やるのが作業になってくるんですよ。

佐藤
たとえばここに並んでいるのも一種のなんかムラギシズムなの?

こう連想していくわけですよね。一個だけではできなくて、1個がたまたまできたらふくらまして、からんでいって、でも実は色々考えてるのかもしれないけどできるだけ即興的にばーって作ってって、あとで俯瞰で見て並べていくと、結局は何らかのつながりがあったりする。それは最初からアンティーク風にとかなんとか風に外枠からはめていくと全然それは本当に飾るだけの目的になっちゃう。

佐藤
それはものを見たときに考えるわけ?自分がこういう風にしようとか。

したいものは見えないんですよ。

佐藤
やっぱりものが先なのね?

直感的に面白いものを選んでいくんですけど、でもこれとこれを組み合わせたら絶対面白いとか思わずに、まずものがあって組み立てていく・・・

佐藤
じゃあ、みんぱくでセレクションしたもの自体はやっぱり自分の個性だと思ってるんでしょ?

うん。そうですね。これ、これと選んでる段階でたぶんそういう判断が働いているんだと思う。

佐藤
うーん、じゃあ図録にはそれでいくかなあ。

へへへ。図録いうと・・・?

佐藤
あり得るでしょ?選んだもの全部載せてしまうとかさ。

山下
たぶん選んだものと、みんぱくで選んだものと普段の制作とかで100円ショップで選んだもの・・・

佐藤
実際に使うものじゃなくて・・・

山下
ムラギしさんすごく早かったよね。今村さんと一緒だったから特にそう思うけど。あの早さはなんやったんやろう?

粘ってもしゃあない。

佐藤
高嶺さんもはやかったよ。

山下
それはみんぱくの量を考えてあのスピードにしたんですか?それとも・・・

美術館行っても何しても、結局おしりの方になったら頭がぼーっとして結局判断ができないくらいだったら、もう直感的に全部通して行ってしまえっていう、これは性格的な問題・・・。

山下
じゃあ、普段もそうなわけなんだよね。

だいたいにおいて。
結局こぼれちゃうものは何をしたってこぼれちゃうと思うんで。

山下
そこは潔くというか、惜しまないというか。

まあ運というか何というか。

山下
あの角を曲がっていたら出会えたかもなのにとか、そういうなのは。

ないですね。ただ僕は今回選ばしてもろうて、申請するものに関しては絶対ほしいというか、やりたいって感じなんで、今回プレゼンしないといけないだったらちょっとがんばらないと。しょっぱーくなっていくと思うんですよ。これダメ、あれダメって・・・

佐藤
こんなに面白いことができますよって書くことが、やっぱり、集めてきた人のアピールだから。

山下
収蔵庫でのアーティストそれぞれの態度みたいなのが知りたいですね。観客としてね。

うーん。

佐藤
じゃあ、これで今日の取材は終わりにして帰りましょうか。

山下
でもね、こうやって直感で選んだものと、これを使いたいって思ったとこの落差というか基準みたいな・・・

面白いやつはすぐばーって浮かぶからできるって判断できるけど、これはなんか使えるかなあっていうランクがあるけど、結局そうやってあんまり程度の、もう一つかなあって思ってるものでも横にぽって並べるときに、トップにあがってくるイメージになる可能性も大になってくるから、それはあんまりないんだけど、たとえば今回トナカイを二頭頼んでるのは、ぜったいできればやりたいと。というのは、トナカイの角にコイル状に線を巻かしてもらってテルミンにできないかなあと思って。

山下
なんですか?

こういうふうにやるテルミンって知りません?音の出る。トナカイに向かってびーっとやると、トナカイがブーって共鳴しだすのを作りたいわけです。でも、それをいじっていいのか、とかね。ま、ま、巻くくらいなら許してもらえそうな。

佐藤
あとで壊さなければ。

本当は、目からビームが出るとかね。でも、くり抜かないとあかんから、あれかなと。でも前からね、やりたかったんですよ。動物をテルミンにしちゃうというのは。ほんならあんな二頭の立派なものがあったから、これは??なかったらできないことだし、すごいチャンス。

佐藤
ちょっと聞いてみないとわかんないよ。展示場の環境にそれを持ってきていいかどうか。別な判断。温湿度とか。聞いてみますけど。

できれば、通して欲しい。

佐藤
そういうこうしたいというものを・・・

何点か、12、3点ありますので。

佐藤
ぜったい落とせないものは、それを言っていただけると。

山下
ただ楽器とか、鳴く、とかじゃなくて、テルミンっていう・・・

佐藤
できれば目から青色レーザーを出したら・・・

できたら出したいですよね。びーって。

佐藤
できるかなあ・・・

まあ、ビームはダメでもせめて、音は出したいっていうか。

山下
それは鹿が勝手に鳴ってるとかじゃなくて、人間が操作することによって。

おかしいでしょ、鹿の角に対してこうやって、高音と音程をやるっていう・・・図もおかしいし。お客さんもね、こうやって、やってもらったら。まあ、ドンってやられたら困るけど。

山下
でも鹿にさわらんでええんやから。

そうなんです。だから離れて音が調整できるわけだから。

山下
みんぱくの収蔵庫ってこないだ初めていったと思うけど、どんあ感想でした?

単純にすごいなあと思いましたけど。ただ、それ自体が意味を持ってたり、歴史があったりするから、逆にいじりにくくはあるから、展示を普通にしてしまうと、普通の展示になるのは間違いないことだし。でも、まあ、それがぐるっとひっくり返ったら普通でもいいんですよね。美術だとか、博物誌だとか、見に来る人は見に来る段階までは関係ないから。でも、それを見ていると、ちょっと違うぞって、思う瞬間が美術の面白い・・・。まあ、美術っていうか、まあ、それの面白いところですね。今回美術は何だとか云々は、お題目はご遠慮というか、まあ、用意はするけど、いちいち説明したくないというか、裏付けみたいなね。できるだけ上から見てわかりやすくするという傲慢な感じじゃなくて、子供たちと一緒に遊べる的なね、感じで作ればね。別に美術好きじゃない人でも面白いなあと思えばそれでいいし。美術好きな人からしたら、足払いかかったみたいな面白さがあればいいし。というところに行けたら成功ちゃうかなあと。という予想をたてていますけど。

山下
足払いね。

こう、目を見合っておきながらパンと足かけるね・・・いたずらなんですよ、簡単にいうとね。

佐藤
これは?

これは中国の何かですね。これも試供品のパッチ、服につける・・・友達がね、卸かなんかで、サンプルを送ってくるんですって。それのいらなくなったのを色々もらってるわけです。
これはクリスマスの、僕が本当の子供のときに買ったやつを隣り通しに並べて見ようかなあと思ったら、うまいこといくわけです。この上にやったらどうだろうって・・・で、これに入れないといけないという組み合わせでできたんで。今度は子供部屋云々ていうてるから家具、李朝家具かなんかの台が一個申請してて、そこにまあ、こういう棚状になってるから、ばーって物を入れて、そのまわりに壁があって、たとえばこういうシリーズだったらイコンと絵馬を頼んでるんで、こういう物とかと同時にイコンと絵馬も構成したい、というなかで関係性が微妙に崩れたりくっついたりしながら、面白い世界へ行けるんちゃうかと。

佐藤
これを置くと、本当に資料かと思ってしまうよね。あってもおかしくないもんね。作品とは誰も思わないかもしれない。

これをホワイトキューブでばかっとはめてしまうと、なんか意味が・・・それはそれで格好ええけど、意味が立ちすぎるじゃないですか。

山下
なんでこれ・・・

とかね。それはそれで楽しいしいいんだけど、でもそんなんね、それはお金払って美術館来ましたって感じだったらまあ、これこれかくかくしかじかでっていう世界になると思うけど、もっとこう入り込んで欲しいというか。

山下
そんなことはともかくみたいな。

これはこっちの理想であって、なんで?と思われてしまったら、嫌悪感・・・まあ、嫌悪感もありなんですけど、なんかこう。

佐藤
これって飾られるために作った???周りを変えてしまうためにとか、そういう意図があるの?
たとえばね、この家の中でムラギしさんの作品を飾ってあったりするところはあるんですか?トイレとか。

いや、全然飾ってないです。子供のときに描いた絵をちょろっと飾ってあるだけで。自分の絵は基本的に飾ってないです。

佐藤
家の中には飾らないの?

うん。しんどくなるんですよ、自分のに包まれていると。

山下
なんか、こう、額とか、その美術的な質問になっちゃうんですけど、子供部屋の空間みたいなフレームというのは結構大事なんでしょうか?

それはね、要するに楽だからなんです。でも、楽って重要なんです。即興に、ぱっと思ったときにできないと、過程がいっぱい増えると、それをこなした人はすごい格好いいけど、こなせなかったらグダグダになるでしょ?グダグダになるくらいだったら、差し引いて、うわっとやったほうがいいと。

山下
きっちりここでできあがりというか、ここで完成、この空間が作品みたいなかたちの、フレームがあった方が・・・

それは結論としてはそれが楽だからなんだけれども、別にフレームがなくてもなんとかなるんだけど、それが大人の判断ちゅうか・・・建前までいうてたって結局条件がこうやっていっぱいね、申請しなきゃならない・・・いろんな関係ないところ??するじゃないですか。そこでスピードが遅れると、全部がダメになるくらいだったらっていうだけのことであって。

佐藤
現代アートの作家だったら、こういう色の、このベッドカバーかなんかの上にこれをぽんとのっけとくとか・・・

こういう木縁の判断をしないし、こんな日本画の古いださい、なれはやらないじゃないですか。でも、こういう家庭のある座布団で使い込んでドラえもんと、それとこの家庭にあるような色紙入れるようなこういう物ががちっとはまったときに、なんかおかしな空気が出てくる。埃だらけでね。


18h5210

山下
いっぴある。

10年分ぐらい。

山下
これはなに?

ゴミですよ。だから、おもろいなあと思うもんをとっておくうちに、だんだん鬱陶しくなってきて、突っ込むようになってくるじゃないですか。で、まあ、やるときに取り出してきて。

山下
普段から気になるものをぱっぱっぱっと・・・

それは性格的にため込む癖がある。

山下
これ面白い。

で、貼っておくんです。で、これ使えるときに剥がして。

山下
ネタ本みたいな。

まあ、そうですねえ。ネタにもならないですねえ。カス。

山下
これ何もかもですね、そこにあるのは紙物が多いやろうけど。

ああ、そっか。今回物が出せるから・・・。

山下
おお、おお、これもいっぱい貯め込み系。

このへんを撮って欲しい。撮って欲しいいうか・・・これとか綺麗なんですよね、これとかね。これも。これも綺麗。・・・ここの組み合わせが・・・

山下
これ、どこから手に入れてくるの?

いやあ、自分の物とか、なんだろう、たまってくるんですよね。

山下
拾うのが多い?

それ・・・まあ・・・そうですね。
でも、まあ、家に行ったらいらんもんとかあるじゃないですか、こういうものとか。各ご家庭に贈答品というか、なんていうか。
こんなんとかね、健康増進とか・・・小欲・・・とか。なんかこういう、まあ、こんなんは意味がありすぎて使えないんですけどね。いやらしい。それこそみうらじゅんさんの世界。みうらじゅんさんはよくできてるけど。そういうコンセプチュアルな??
そうそう100円ショップはときどき膨大にゆるい造形物を大量にやるから、面白いんですよね。誰が買うねんていうのを、量で攻めてくるのが。組み合わせを考えれば絶対いいのがあるんですよ。
30年前のシャンプーなんですけどね、まだ中身入ってるんですよ。危ないんですよね。これは小学校のときに集めた切手の一部。こういうのとかはね、3年くらい前に使わせてもらったから。できれば3年くらい前に使った物は使わないと。使ったないやつで・・・まあ、物がちっちゃいあれなんで、そういうさっき言った李朝家具は棚状になってるから、その中にこれをいい感じで組み合わせれば、これはこれでひとつ終わりと、で、その後ろの壁にそういうさっきの平面系の物を納めるとか。このへんはそんなに問題はないっちゅうか、無理はない。

山下
無理はない。もう自分の中ではだいたいこんな感じなんやろうなあというのが・・・。

ただ、これだけで終わったら、せっかくあれだけの物があるのに意味がないから、そういうことをやらしてもらおうと。これだけだったらね、自分の範囲で終わっちゃうわけだから。
まあ、できれば一点一点見て欲しいっていうかね。
これとか、中に入れるから牛乳瓶が立ってくるっていうか、この中とこれの関係性があるからこれは面白いんであって、これが入ってなかったら、牛乳瓶が・・・??感じがするんですよね。

山下
え?これが入ってるから牛乳瓶が・・・?

牛乳瓶が立ってくるでしょ。ぱっと言語化できないけど入れることで面白くなってるということですよね。まあ、それを共感してくれるかどうかは別なんだけど。面白いから美しいと思うのか、すかされる気持ちが楽しいと思うのか、それぞれなんですけど。でも、こう、入れることで面白くなる。
これも1個、ぽこっと取ると・・・もちろんこれは計算されてデザインが綺麗に仕上がっていくんと思うんですけどね。それにしても、よく骨董で時代がつくっていうのは、そういうことかなあと思って。こういうのでも、時代がつくんですよ。いい味が出てくるんですよ。あんな茶器とか李朝とかだけじゃなくてね。こういうものでも。言い造形した物は、これはアノ二マスじゃなくてたぶんきちっとした、すごいデザイナーだと思うんですけど。時代を経て、時代がついて、形が面白くなってくる。そしたら、これとこれが隣り同士にあることによって、なんか出てくるでしょ。・・・でてくるでしょっつうか、なんかこう、面白さが出るというか、僕だけがそう思ってるのか・・・なんかこう、面白いなあと思えてくるんですよね。一点よりも二点の方が、こう組み合わせが強くなってくると。これとこれも隣りに並ぶと、一点だけの物じゃなくなってくるんですよね。やっぱりなんか、立ち上がってくる物がある。

山下
これはたとえばこの三つとかいうと・・・

寒い、感じがするんですよね。これはたぶん色んなことを考えて、経験上そう思ってるのか、直感的にそういう人間がそう思うようになってるのか、わからないですですけど、視覚的に美しい美しくないだけで判断してるだけかもしれないですけどね。色味が足りないとか、高さが足りないとかね。美大にはいるときに教わるような、大きさの比率がどうしたこうしたとかね。だけの判断かもしれないけど、でもどう考えても、この組み合わせで、この組み合わせだって、判断ができちゃうんですよね。??連鎖で、大きくなったら棚にぽこっと、でもそれは棚との関係性がまだあって、それを成立させないとやっぱり面白がれない。

山下
それぞれが関係していて・・・波長・・・

なんかあるですけどね。それは言語化できていないですけどね。まあ、しようとも思わないけれど、聞かれたら言わないといけないから。なんか言葉を用意しないといけないんだと思う。
これはそういうのを出して、組み合わせるのが作品ですね。まあ、だから切り張りはしないけど、結局はコラージュですよね。イメージを組み合わせて違うところに連れて行く。
そうそう、コラージュってね、勘違いされているのがあって、ピカソとかなんとかって、パピエコレっていうんだったと思うんですけど、ギターとかをコラージュで新聞紙を貼り付けたりとかでなんとかって言うんだけど、あれはギターっていうイメージに向かって切り張りしているのをコラージュって、言えば切り張りですよね。ギターっていうイメージに向かって、新聞紙があるから面白いとか、違う物が、要素が入って。じゃなくて、ある種シュルレアリスムの思想だけども、見えない目的が無意識だったり、まあ、僕そんなシュルレアリスムの思想とか思ってやってるんではないけれど、まあ、行為としては似ているということで、見えないものに向かって組み合わせていって、見えないものが具現化するっていう、感じ取れる。だから表面的な技術とか形式とかはあまり二の次であると。でも現代美術はそこに二の次のところもしっかり考えて、見やすくしたり、あるいは売れるように考えたりっていう、他者との関係のサービスを成立させて、こう、できるっていう。でも、それを、最近ちょっとおっさんになってきて、それも大事やなあって思うようになったけど・・・基本はやっぱり自分本位いうかね、そっちを見てみたいというか、技術とかじゃなくて、それをなんとかこれを組み合わせてあちらの世界を見たいという欲があるから、やっぱり、やっちゃうわけですよね。

山下
それは、ふだんぼーっとしてるときでもどっか見れたりすの?それとも物と物の出会いを見て初めて・・・

そう、そう、そう。そうですよ。常に霊的なものを感じてるとかは全くないですからね。
ただ、そういう衝動はみんなあって、みなさんお仕事されたりなんらかの生きるという行為をやってる何かがあるわけだから、そういうのに溢れてる、衝突してはみ出てる部分をたぶんこういうことが埋めるんだと思うんですけどね。それは結局なんだっていったら、子供のときの記憶で具体的にこういう経験があったとか、ああいう経験があったとかじゃなくて、みんな生きてる年は関係なしに何らかのそういう、子供のときの記憶か・・・なんやろ・・・なんかあるんだと思うんですよね。ま、どこどこの遠足に出掛けて死にかけたとかそんな記憶じゃなくてね。なんか、におい・・・においも具体的な記憶だけど。具体的じゃない記憶ですよね。

山下
ものずごく言語化できないくらい些細な・・・

なんかそういうことなんですよね。そういうのが、ある組み合わせになることによって、ああなるほどって、なんねんね。

山下
それは、自分を確かめてる感じなんですか?

まあ、結果的にそうなってるんかもしれんけど、自分を、よしんば自分を確かめると思ってやったとしても、だからなんやねんてなるじゃないですか。今が変わるわけじゃないし。なんかねえ。お金がいただけるわけでもないしっていう・・・ことに結論に達するから。にもかかわらずやっちゃうわけだから、なんでしょうねえ、ということしか言えないんですよね。

山下
それは自分を確かめることかもしれないけれども、記憶とか、それは他人に伝わるものだと思ってる?

だからそれは通底するって言って、明らかにどこかにシンパシーが働くんだろうなあっていう・・・。でも、基本的な言葉で、ねえ、会話をするわけだから、やっぱりこれはこういう意味があって、なんとかって、やられたときに初めて、ああ、なるほどそういうことが言いたかったのかっていうことで、成立する作品もあるし、ある種贅沢というか他者を無視した、傲慢な態度だとは思うけど、そういうとこはちょっと分かってるけど、ちょっとおいとかしてと言って作品を優位に考えたときに言葉は無視するじゃないですか。で、自分も言葉化すればいいのに・・・要するに粋か野暮かいうたら野暮じゃないですか。自分の解説ばっかりしてるのはね。ま、粋か野暮かいう説明もおかしいけど。まあ、いうたらそんなこと。野暮な、こう、感じがするから。そこは想像してくれというのは、傲慢な態度なんだけれども、そこをおもしろがってくれれば、シンパシーがあるんじゃないかって、思ってるんだけども、なかなかシンパシーは得られないですよね。何やってんのっていうか。お前のやりたいことは分かるけど、ちょっと寒いよ、みたいな評が多いんじゃないかなとは思ってるんですよ。そういうのはわかってるんだけどもね。

19h0720

まあ、これは100円ショップの・・・とりあえず今あるんで・・・できないかもしれないですよ。
どうしよう。これもねえ。実はいいんですよねえ。量産して描いた100円ショップの絵なんですけどねえ。ちょっと申し訳ないけど・・・。

0950
こういうのはコラージュじゃないんで、なんや・・・コラージュではないんですよねえ。公開制作なんかしたことないんでね。どうしていいんかわからへん。

1233
こんな感じちゃうかなあって。

1300
普段こんな感じじゃないですからねえ。

山下
どんな感じ?

たとえば僕、コラージュはしないんです。コラージュではないから、物むき出しのものを今回は組み合わせる行為ですから、コラージュではないんですよ。それそのもが面白くなる組み合わせを見つける行為をしてるだけであって。

山下
枠があるっていうのは?

これはたまたま100円で余ってて、さわれるのがこれだったので、別にこんないらないんで・・・これだけで展示したい場合はできるし、この袋に入れただけのこれね。これでできてるんですよ。これをコラージュといえばコラージュ?コラージュっていうか、まあこういうのと同等なものとしてのできあがったものなんですよねえ。
だから、これとこれは組み合わないし、これやっちゃうとこれはいやらしいので、これはこれでできたということなんです。
これで今こうやってるんですけど、これもまたいやらしいので、いかにもって感じな組み合わせになるので失敗なのです。

山下
なるほど。

佐藤
普段の創作の時間ていうのは普段の日常の時間とどう切り分けているの?

切り分けられないんですよ。だからこんな・・・。

佐藤
たとえば、・・・危ない人というか、家の人は、何をやってるんだろうとか思うでしょ?

うーん。

佐藤
作家としてのオファーがあったときに作るのか、それとも自分のパトスでやって、誰かに見てもらおうとしてやってるのか。

そこらへんがねえ、切り分けられないんですよ。ただモチベーションとしては場所があるということでモチベーションが保たれるけれども・・・。

佐藤
オファーとかそういう機会があって?

うん。

佐藤
だから、その枠自体も僕は気になってて、フレームがなくても本来は成り立つ話じゃない?でもそのフレームをつけることでやっぱアートとして・・・

そうそうそう。それはよく感じるんですよ。結局そこに他者が入ってきているんですよ。こうやって条件があって、そこにあるだろうなって。で、それこそアウトサイダーアートなりなんなりっていうのは、これがないんですよ。これが関係なしに自分の中で成立するんです。でも僕がアウトサイダーアートではないってところも意識したんですよ。そこには行けない。でも共感はしている。じゃ、どこだろうというときに、これが早いんですよ。

佐藤
とても重要ですよね、ムラギしさんの中ではね。枠の選定も凝ってますもんね。

そう。こっちとこっちをつなぎ合わせるのが結局、これっていうか、こういうところだったんですよね。そうそうそう。だから、まあ、でも、実際、枠もそうだし、ボックスもそうだし、それこそ・・・

佐藤
李朝家具に凝ってるっていうのもたぶん同じだよね。

うん。ああいう物に惚れちゃというか、惹かれちゃうというところは、ちょうど中間点というか、あちらとこちらの接点の部分ですよね。だからアンティークがどうしたこうしたとか、おしゃれに見せる云々ではない、こう、なんか、ちょうどねじけた(?)混じるところなんですよね。まあ、うまく、こう、ならないんですけど。

佐藤
だから、その枠がムラギしマナヴなんだっていうかんじなんじゃないの?

そういう結論でいう・・・まあ、現段階ではそうなんかなあ・・・いや、わからないわ。

R32

19h0748

 

どんな音楽?まあ、フリージャズです。ぐじゃぐじゃぐじゃぐじゃって。
なんか格好つけてるみたいでいや。

佐藤
この程度の音量?

そうですね、そんなことないか。まあ、こういう単調作業をするときは音量を上げますけど、なんかきちっと作業するときは・・・関係ないか・・・
これは民族学的に残るんですか?

佐藤
わかんない。

ーとりあえず、ほらないんで。残ることは残る。それを誰かが見ることができるようになるかどうかはわかんない。

なるほど。

19h1250
よ。はい。ありがとうございます。
これを画像だけ欲しいんですけど。

1415
そのまま自動でピン合うんですね。
これ、ちょっといい感じですよ。のぞいてみます?

1440
あ、便利だー。

1555
行きまーす。いよっ。
下が明るい。

1520
じゃあ、いきまーす。もう一枚いきまーす。
はいOK。

終わり

富塚純光 | フジタマ | 伊達伸明 | 平岡伸太 | 今村 源 | 木伏大助 | 増岡 巽

下田賢宗 | 松浦 萌 | 生意気 | 鈴木昭男 | 高嶺 格 | 八島孝一 | 上里浩也

ムラギしマナヴ | 豊嶋秀樹 | 小山田徹

 

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